金利上昇で新NISAは止めるべき?30代会社員の資産運用の考え方
こんにちは、とっぽです。
最近、「金利が上がるらしい」という話をよく見かけます。日本でも金利が意識されるようになって、ニュースでも「利上げ」「長期金利」みたいな言葉が増えました。正直、見出しを見るたびに「えっ、まじで」ってなる人も多いんじゃないでしょうか。
そうなると気になるのが、金利が上がると株は下がるのか、新NISAの積立は続けていいのか、住宅ローンや現金はどうすればいいのか、あたりだと思います。僕みたいに住宅ローンを抱えた30代会社員だと、投資だけじゃなく家計にもガッツリ効いてくるので、正直かなり気になるテーマです。
この記事では、金利上昇局面で資産運用をどう考えるかを、会社員目線で整理してみます。
結論:金利が上がっても、新NISAの積立は止めなくていい
先に結論を書きます。
僕なら、金利が上がるからという理由だけで、新NISAの積立は止めません。
ただし、何も考えずにリスク資産へ突っ込み続けるのも違うと思っています。金利上昇で見直すべきなのは、積立そのものではなく、現金比率・住宅ローンの返済余力・リスクの取りすぎのほうです。
金利上昇は、株を全部売る合図ではありません。むしろ、自分の家計がどれくらい金利に弱いかを点検するタイミングだと考えています。ここから、その中身を順番に見ていきます。
そもそも、金利が上がると何が起きるのか
まず、金利が上がると何が起きるのかを、ざっくり整理します。
借りるお金のコストが上がる
金利が上がると、お金を借りるコストが上がります。住宅ローン、車のローン、カードローン、企業の借入などに効いてきます。
企業は借入コストが上がると利益が圧迫されることがありますし、個人もローン返済が重くなる可能性があります。だから金利上昇は、株の話である前に、まず「借りている人の家計」の話でもあるんですよね。
預金や債券の魅力が少しだけ上がる
金利が低い時代は、現金を持っていてもほとんど増えませんでした。でも金利が上がると、定期預金・個人向け国債・MMFといった「そこそこ安全な置き場」に、少しだけ意味が出てきます。
とはいえ、預金だけでインフレに勝てるとは限りません。「現金でも多少は利息がつくようになった」くらいの感覚で見ておくのがちょうどいいと思います。
株のバリュエーションには逆風になりやすい
金利が上がると、株には逆風になりやすいです。
バリュエーションというと難しく聞こえますが、要は「今の株価が、将来の利益に対して高いか安いか」の話です。金利が上がると、将来の利益の価値が今の時点では割り引かれて見えるので、とくに将来の成長期待で買われているグロース株ほど影響を受けやすくなります。QQQ、半導体、AI関連、大型テックあたりは値動きが大きくなりがちです。
とはいえ、金利が上がったら必ず株が下がる、というほど単純でもありません。企業の業績さえ強ければ、金利上昇局面でも株価がグイッと上がることは普通にあります。
今の環境は、日本も米国も「金利がほぼゼロだから、とにかく株しかない」という局面ではなくなってきました。一方で、S&P500やNasdaq100は高値圏にあって、株がすごく安いとも言いにくい。金利は意識され、株価も安くはない。だからこそ、短期で一気に儲けにいくより、資産配分の点検のほうが大事になる局面だと思っています。
金利上昇で最初に見るべきは、株ではなく家計
多くの記事は、金利上昇と株価の話から入ります。でも30代会社員なら、最初に見るべきは株ではなく家計だと思っています。
とくに確認したいのは、住宅ローン・車のローン・教育費・生活防衛資金あたりです。投資でリスクを取る前に、固定費が金利上昇に耐えられるかを見る。ここを見ずに株の売買だけ考えると、判断がズレます。
僕自身、投資のリターンより先に「家計が崩れないこと」のほうが大事だと思っています。家族がいると、投資の正解を当てにいくより、下落しても退場しない設計にしておくほうが、結果的にうまくいく気がしています。
まず住宅ローン:金利が+1%上がると返済額はどう変わるか
変動金利で住宅ローンを組んでいる人は、金利が上がると返済額が増える可能性があります。ただし実際には「金利が上がった瞬間に返済額も上がる」わけではありません。多くの銀行の変動金利(元利均等返済)には5年ルール・125%ルールという仕組みがあり、ここを知らずに数字だけ見ると誤解しやすいので、一度整理しておきます。
僕自身、去年東京で建売6,290万円を買ったときに、頭金1,000万円を除いた借入5,290万円・返済期間30年・変動金利0.95%で契約しました(月々の返済額は169,000円ほどで、住宅購入の記事に書いた16.8万円とほぼ一致します)。この記事では、この自分の条件をベースに金利が上がった場合を試算してみます。
5年ルール・125%ルールとは
- 5年ルール:金利は半年ごとに見直されますが、毎月の返済額は5年間変わりません
- 125%ルール:5年ごとの返済額見直しでも、増額はそれまでの返済額の1.25倍までに制限されます
一見、家計を急な負担増から守ってくれる優しいルールに見えます。ただし実態は「金利上昇の負担を、気づきにくい形で先送りしているだけ」という側面もあります。ここが今回いちばん伝えたいポイントです。
返済額が変わらない5年間、元金は減りにくくなる
返済額が据え置かれているあいだも、返済額の中身(利息と元金の内訳)は変わっています。金利が上がった分だけ利息の取り分が増え、元金を減らす分が少なくなるんです。つまり、家計から出ていくお金は同じでも、ローンの残高はより多く残ります。
僕の借入(5,290万円・30年・0.95%スタート)で、契約直後に金利が+0.5%・+1.0%上がったと仮定して試算してみました。
| 0.95%(現状) | +0.5%(1.45%) | +1.0%(1.95%) | |
|---|---|---|---|
| 月々の返済額(5年ルール適用) | 169,000円 | 169,000円 (変わらず) | 169,000円 (変わらず) |
| 本来即座に再計算した場合の返済額 | ー | 約181,300円 (+12,300円) | 約194,200円 (+25,200円) |
| 5年後のローン残高 | 約4,510万円 | 約4,637万円 | 約4,768万円 |
+1.0%のケースでは、5年間の返済額そのものはずっと169,000円のままです。でも5年後の残高を比べると、金利が上がらなかった場合より約258万円多くローンが残っている計算になります。「返済額は変わらないから大丈夫」と安心していると、この残高の差に気づきにくいというのが、5年ルールの怖いところだと思っています。
また、この5年ルール・125%ルールは全金融機関に共通のものではありません。SBI新生銀行やPayPay銀行など、ルールを設けずに金利変動をそのまま返済額に反映する銀行もあります。ルールがある銀行は急な負担増を避けられる一方、将来の残高や未払利息のリスクが見えにくい。ルールがない銀行は逆に、金利が上がった分がすぐ返済額に反映される代わりに、残高が想定外に膨らむことはありません。どちらが良いというより、自分が借りている(借りようとしている)銀行がどちらのタイプかを把握しておくことが大事だと思います。
僕自身は5年ルールがある銀行で契約しているので、「返済額が変わらない=安心」ではなく、「返済額が変わらない間もローン残高は多く残りうる」という前提で家計を見ておくつもりです。株をどうするかの前に、まずは「金利が上がっても、うちのローン返済は耐えられるか」を確認しておきたいと思っています。
新NISAの積立はどうする?基本は続ける、無理なら減額
金利が上がると株式市場は不安定になりやすいので、新NISAをどうしようか迷う気持ちはよくわかります。
でも、30代会社員の新NISAは短期売買ではなく、20年30年単位の長期資産形成です。それだけ長く持つなら、金利上昇局面も下落局面も、途中で必ず何度か通ります。だから「金利が上がったから積立を止める」という判断は、正直しにくいんですよね。相場を当てにいく話になってしまうので。このあたりはS&P500が最高値でも積立を止めない理由で書いたことと同じ考え方です。
ぶっちゃけ大事なのは、下落局面でも続けられる金額にしておくことです。もし毎月の投資額が家計をカツカツにしているなら、減額はアリだと思います。ただしそれは「投資をやめる」ではなく、「無理なく続けられる金額に調整する」という話です。ここを混同しないようにしたいです。
株式:グロース株・レバレッジ商品の比率だけは見直す
金利上昇局面では、QQQ・半導体・AI関連などのグロース株は値動きが大きくなりやすいです。将来の利益への期待で買われている銘柄ほど、金利の影響を受けやすいからですね。
ただし、AI需要や業績が強ければ、金利上昇でも上がる銘柄はあります。半導体株やNasdaq100を全部売る、という話ではありません。
実はここだけの話、僕この記事を書いてる矢先にNasdaq100の積立を新しく設定したばっかりなんですよね。金利上昇でグロース株に逆風って自分で書いておきながら、タイミング悪すぎでしょって話です(笑)。とはいえ積立はもちろん続けます。積立って結局、下がったところでたくさん口数を拾えるから続ける意味があるわけで、むしろ「安いところで多めに拾えるチャンスが増えた」くらいに開き直っています。
見直すべきなのは、持ちすぎていないかです。30代会社員なら、VOOやS&P500を土台にして、QQQや個別株は上乗せ枠にするのが現実的だと思っています。レバレッジETFやテーマ株に寄りすぎている場合は、金利上昇局面で一度冷静に見たほうがいい。僕も以前SOXLで短期に取りにいって派手に負けたので、攻め枠の比率は生活に響かない範囲に抑えるようにしています。
債券・現金の置き場:安全そうだから、で長期債は買わない
金利が上がると、債券にも意味が出てきます。ただ、ここは少し注意が必要です。
ポイントは、金利が上がると、すでに発行されている債券の価格は下がりやすいということです。低い金利のときに発行された債券は、金利が上がると相対的に見劣りするので、値段が下がるんですね。だから、長期債券ファンドを「安全そうだから」という理由だけで大きく買うのは、金利上昇局面ではむしろ危ないことがあります。
30代会社員なら、リターンを狙う債券投資というより、現金の一部の置き場として考えるのが自然だと思います。候補は、個人向け国債(変動10年)、定期預金、円建てMMFあたり。ざっくり、お金を役割で分けると考えやすいです。
- すぐ使うお金:普通預金。値動きのある商品には入れない
- しばらく使わない守りのお金:個人向け国債・定期預金も候補
- 増やすお金:新NISA・株式
とくに生活防衛資金は、値動きのある商品に入れないほうがいいです。いざというときに、含み損の状態で取り崩したくないですからね。
高配当ETFは金利上昇に強い?「高配当=安全」ではない
高配当ETFは、金利上昇局面で一見魅力的に見えます。配当があると安心感がありますし、現金収入があるのは気持ち的にも続けやすい。
ただ、高配当だから安全、とは言えません。
国債利回りや預金金利が上がると、配当利回りの魅力は相対的に下がることがあります。「株で3%の配当」より「もっと安全なところで2%」のほうが良く見える人が増える、という感じですね。さらに高配当株には、不動産・公益・通信・金融など、金利の影響を受けやすいセクターが多く含まれます。借入の多い企業は、金利上昇で利益が圧迫される可能性もあります。
配当目的で持つのはアリだと思います。でも、利回りだけで選ぶのは危ない。高配当の受け取りは、資産形成の主役というより、配当をもらいながら投資を続けるためのサブ枠、くらいに考えておくのがちょうどいいと思っています。
まとめ:やめる順番より、続けられる家計に整える
金利上昇局面で、30代会社員が見直す順番を表にまとめました。いきなり株を売り買いするのではなく、上から順番に見るのがポイントです。
| 優先 | 見直すもの | やること |
|---|---|---|
| 1 | 生活防衛資金 | 生活費6〜12か月分を現金で確保する |
| 2 | 住宅ローン | 金利+0.5〜1.0%時の返済額を計算しておく |
| 3 | 新NISA | 積立は基本継続。無理なら止めずに減額 |
| 4 | 株式比率 | グロース株・レバレッジ商品の偏りを確認 |
| 5 | 現金の置き場 | 個人向け国債・定期預金・MMFを検討 |
資産・商品ごとの考え方も、ざっくり一覧にしておきます。
| 資産・商品 | 金利上昇時の影響 | 30代会社員の考え方 |
|---|---|---|
| 新NISA(積立) | 株価が不安定になりやすい | 基本継続。無理なら減額 |
| VOO・S&P500 | バリュエーションに逆風もある | 長期の土台として持つ |
| QQQ・グロース株 | 値動きが大きくなりやすい | 攻め枠に抑える |
| 高配当ETF | 利回りの魅力が相対的に下がることも | サブ枠ならアリ |
| 長期債券ファンド | 金利上昇で価格が下がるリスク | 安全資産扱いしすぎない |
| 個人向け国債・定期 | 金利上昇の恩恵を受けやすい | 現金の一部の置き場として検討 |
| 住宅ローン | 返済額が増える可能性 | 投資より先に返済余力を確認 |
逆に、やらないほうがいいと思うことも挙げておきます。
- 金利上昇ニュースを見て、新NISAを全停止する
- 株が怖くなって、全部現金にする
- 預金金利が少し上がっただけで、長期投資をやめる
- 利回りだけ見て、高配当株に集中する
- 長期債券ファンドを「安全資産」だと思って大きく買う
- 住宅ローンの返済負担を見ずに、投資額を増やす
金利上昇局面で大事なのは、強気になることでも弱気になることでもなく、退場しないことだと思っています。
僕なら、まず新NISAの積立は続けます。ただし投資額より先に、生活防衛資金とローンの返済余力を確認する。株式はS&P500や全世界株を土台にして、QQQや半導体などの攻め枠は下落しても耐えられる範囲に抑える。現金の一部は普通預金だけでなく、個人向け国債や定期預金も候補にする。だいたいこんな感じです。
金利上昇は、たしかに怖いニュースではあります。でも、資産運用をやめる理由ではありません。むしろ、自分の家計と投資配分を点検するきっかけとして使うくらいが、30代会社員にはちょうどいいと思っています。金利が上がったから投資をやめるのではなく、金利が上がっても投資を続けられる家計に直す。僕はその感覚で考えています。Nasdaq100の積立を始めたばかりでビビってる僕自身への言い聞かせでもあります。