インフレ対策にゴールドは有効?新NISAで毎日1,000円積み立てる理由

インフレ対策にゴールドは有効?新NISAで毎日1,000円積み立てる理由のアイキャッチ
耳で読書。Audibleを無料で試す 今すぐ聴く →

こんにちは、とっぽです。

物価が上がると、銀行口座の残高は減っていないのに、同じお金で買えるものは少しずつ減っていきます。そこでインフレ対策として名前が挙がるのがゴールド(金)ですよね。2026年の前半は「金が史上最高値」というニュースが何度も流れました。

ただ、正直に書くと、僕がゴールドに興味を持ったのは金価格が大きく上がった後でした。安い時期に将来を読んで仕込んでいたわけではありません。最高値のニュースを見て「もっと早く買っておけばよかったな」と思ってから調べ始めた、完全な後発組です。

しかも間の悪いことに、ゴールドは2026年1月にドル建てで1オンス5,500ドル台の史上最高値をつけたあと、そこから2割以上下げて、いまは4,000ドル台で下げ止まりを探るような値動きになっています(2026年7月時点)。いちばん盛り上がったところを見て興味を持ち、下げてきたところをおそるおそる見ている、という間の悪さです。

価格の参考:Forbes Advisor(Gold Price)。円建ての国内小売価格は田中貴金属の日次金価格で見られます(こちらは円安のぶん、ドル建てほど下げていません。この差はあとで詳しく書きます)。

だから今、買うことには不安だらけです。「最高値からは下げたけど、まだ高いのでは?」「下げ止まったように見えて、ここからまた下がるのでは?」「そもそもインフレ対策として本当に効くの?」みたいなやつです。それでも僕は今、新NISAでゴールド関連の商品を毎日1,000円ずつ積み立てています。この記事では、後発組でもゴールドを持つ意味があるのかを、会社員目線で整理してみます。

この記事は筆者個人の見解であり、特定の銘柄・投資信託・金融商品の購入や売却を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。投資判断はご自身の責任でお願いします。

結論:ゴールドはインフレに必ず連動しない。それでも資産の2〜3割を目標に積み立てる

先に結論を書きます。

ゴールドは「インフレ率に必ず連動して上がる資産」ではありません。それでも僕は、米国株に偏った資産を分散するために、最終的にはポートフォリオの2〜3割くらいまでゴールドを持つことを目標にしています。

念のため書いておくと、ゴールドは一般的に「資産の5〜10%くらい」と言われることが多いです。2〜3割は、それより明らかに多め。僕がそこまで持ちたいのは、資産が米国株に偏りすぎていて、インフレや円・ドルの価値が揺れたときの備えを厚くしておきたいからです。

とはいえ、主役はあくまで米国株のままです。ゴールドは、いきなり2〜3割を一括で買うのではなく、時間をかけて少しずつ、2番目の柱として育てていくイメージ。だから一括で勝負せず、比率の上限を決めて積み立てる。それだけの話です。

ここから、なぜそう考えたのかを順番に見ていきます。

そもそも、インフレで現金の価値はどうなるのか

まず前提の話です。インフレというのは、モノやサービスの値段が続けて上がっていくことです。預金残高が変わらなくても、実質的に買える量は減っていきます。

仮に100万円を現金のまま置いておいて、インフレが10年続いた場合、実質的な価値がどう変わるかをざっくり計算してみました。

年率インフレ 10年後の実質価値 目減り
2%約82.0万円約18万円
3%約74.4万円約26万円
5%約61.4万円約39万円

100万円 ÷(1+インフレ率)の10乗で試算。数字は概算です。

年3%でも、10年で4分の1くらいの購買力が消える計算です。日本でも食料品や光熱費の値上がりを実感する場面が増えました。「現金は安全」と言われますが、金額が減らないだけで、価値はじわじわ削られているということですね。

ただし、ここで「だから現金を全部投資に回そう」とは思わないでください。生活防衛資金や、数年以内に使う住宅・教育費は現金で確保するのが大前提です。ゴールドにも大きな値下がりはあります。現金の弱点を知ることと、現金を捨てることは別の話です。このあたりは金利上昇局面の資産運用の記事でも同じことを書きました。

「インフレならゴールドが上がる」は、正確じゃない

ここが今回いちばん伝えたいところです。

「インフレ=ゴールド高」というイメージは、実はそこまで正確ではありません。消費者物価指数(CPI)と金価格は、常に連動しているわけではないんですよね。インフレ率が高い時期に金が下がることも普通にあります。

じゃあゴールドは何に反応しやすいのか。僕がいろいろ見て納得したのは、本当の論点はインフレ率そのものではなく「実質金利」だということでした。

実質金利は、ざっくりこういう式です。

実質金利 = 名目金利 - 期待インフレ率
(例:名目金利5% - 期待インフレ率3% = 実質金利2%)

ゴールドには利息も配当もつきません。だから、預金や債券の実質的な利回りが高いとき(実質金利が高いとき)は、わざわざ金を持つ理由が薄れて逆風になりやすい。逆に、インフレしているのに金利がそれに追いつかず、預金や債券では購買力を守れない状況(実質金利が低い・マイナスのとき)に、ゴールドは選ばれやすくなります。

つまり、同じ「インフレ率4%」でも中身で真逆になります。

ケースA ケースB
インフレ率4%4%
金利1%6%
実質金利マイナス方向プラス方向
ゴールドへの影響追い風になりやすい逆風になりやすい

「インフレだから金を買えば安心」ではなく、インフレしているのに金利で守れないときにゴールドは意味を持ちやすい。ここを押さえておくと、ニュースの見え方が変わると思います。

金価格を動かすものを、ざっくり整理する

実質金利のほかにも、金価格を動かす要因はいくつかあります。細かく追い出すとキリがないので、個人投資家として知っておけば十分なものだけ挙げます。

  • 米国の実質金利:下がると追い風、上がると逆風になりやすい(さっきの話)
  • ドルの強さ:金は国際的にドル建てで取引されるので、ドル高は逆風、ドル安は追い風になりやすい
  • 中央銀行の金買い:各国が外貨準備をドル一辺倒にしない狙いで金を買う動きがあり、長期の需要要因になっている
  • 地政学リスク:紛争や金融不安のときに「有事の金」として買われることがある

ちなみに、米国の実質金利はFREDの10年物価連動国債利回り(DFII10)で誰でも無料で見られます。水準そのものより「上がっているか、下がっているか」の向きを見るのがコツです。

ここで一点だけ。ネットには「機関投資家は金ETFのフローや中央銀行の四半期購入量、CFTCの投機筋ポジションまで見ている」といった話も出てきます。それ自体は本当です。ただ、はっきり言って会社員の僕らがそこまで追う必要はないと思っています。ここで伝えたいのは細かい数字の追い方ではなく、「プロもCPIだけを見て金を売り買いしているわけではない」という感覚のほうです。インフレ率という1つの数字に飛びつかない、くらいで十分です。

大きく上がった後から買うのは、もう遅いのか

さて、後発組としていちばん気になるところです。

正直に言うと、高値づかみの可能性は普通にあります。今はドル建てで最高値から2割以上下げていますが、下げたからといって、そこが底とは限りません。ここからさらに下がることも普通にあります。しかも配当がないので、下落しているあいだ、待っていても何ももらえません。実質金利の上昇やドル高が続けば、長い期間モヤモヤすることもありえます。「下げたからそろそろ反発」「インフレだから下がらない」なんて保証はどこにもありません。

この「上がったのを見て買いたくなる」感覚、僕は身に覚えがあります。以前、半導体が強いのを見てSOXLでスケベ買いして約4万円負けたことがあります。あれと同じで、値上がりを見てから飛びつくのは高値づかみになりやすい。だから今回は、その反省をふまえて「一括で買わない」を最初に決めました。

そのうえで、僕は問いを2つに分けて考えることにしました。ここがけっこう大事です。

  • 問い1:今のゴールドは割安か? → 正直わかりません。株のPERみたいに利益で測る物差しがなく、過去平均からの乖離だけでは判断できないからです。
  • 問い2:自分のポートフォリオにゴールドは必要か? → これは考えられます。米国株に偏っているか、株以外の資産を持っているか、下落しても持ち続けられるか、で決まります。

ポイントは、「今が割安か」と「分散のために必要か」は別問題だということです。割安かどうかを当てるのは難しくても、分散のために持つ、という判断はできます。S&P500が最高値でも積立を止めない理由で書いたのと同じで、一点の買い時を当てにいかないなら、高値かどうかで悩みすぎる必要はなくなります。

日本人は、円建ての金価格=ドル円も見る必要がある

もう一つ、日本人特有の注意点です。僕らが実際に買うのは円建ての金なので、ドル建ての金価格だけでなく、ドル円の影響も受けます。

円建ての金価格 ≒ ドル建ての金価格 × ドル円

この2つの組み合わせで、円建ての値動きは4パターンに分かれます。

ドル建て金 ドル円 円建て金価格
上昇円安大きく上がりやすい
上昇円高上昇が相殺されやすい
下落円安下落が抑えられやすい
下落円高大きく下がりやすい

ここで気をつけたいのが、米国株を持っている人は、すでにドル円の影響を受けているということです。ゴールドを足しても、円建て・為替ヘッジなしの商品だと、通貨のリスクがむしろ重なることがあります。ドル円が高くても米国株投資を止めない理由でも触れましたが、資産クラスの分散(株か金か)と、通貨の分散(円かドルか)は分けて考えたほうがいいです。「金を買えば為替リスクも減る」とは限りません。

僕が新NISAで毎日1,000円を積み立てている理由

ここまでを踏まえて、僕がやっていることです。

僕は今、新NISAでゴールド関連の商品を毎日1,000円ずつ積み立てています。営業日ベースなので、月にすると2万円ちょっとですね。資産公開の記事で書いたとおり僕の総資産は2,000万円台なので、毎日1,000円だけだと、目標の2〜3割にはまだ全然届きません。

ここは正直に書きます。毎日1,000円は「崩さない土台」で、ここから余力を見ながら積立額を増やしたり、下げた局面でスポットで買い足したりして、時間をかけて目標の比率に近づけていくつもりです。焦って一気に埋めにいくと、それこそ高値づかみになりかねないので、あえてゆっくり積み上げています。

買い時を当てられないから、少しずつ淡々と

金価格は、実質金利・ドル・インフレ期待・中央銀行需要・地政学リスクなど、いろんな要因で動きます。これを全部読んで最高の買い場を当てるなんて、僕には無理です。だから一括で勝負するのではなく、少しずつ買い続ける形にしました。今後も必ず上がると確信しているからではなく、確信が持てないからこそ、一気に買わずに時間をかけている、という順番です。

ただし、毎日積立に特別な優位性はない

正直に言うと、毎日積立が月1回積立より必ず有利、ということはありません。上昇相場では一括のほうが有利になることもあるし、毎日買っても高値づかみは起きます。値下がりを防げるわけでもない。僕が毎日にしているのは、単に自分が感情で売買しにくくなるからです。仕組みで淡々と、という意図でしかありません。

新NISA枠を使うことには、機会費用がある

ここは自分でも気をつけている点です。新NISAの非課税枠には限りがあります。ゴールドに枠を使った分だけ、株を買える枠は減ります。ゴールドには配当も企業の利益成長もないので、資産を増やすスピードで見れば株のほうが向いている可能性が高い。とくに2〜3割を目指すとなると、使う枠もそれなりに大きくなります。「NISAで買えるから買う」のではなく、株の枠とのバランスを見ながら、資産配分から逆算して決めるようにしています。

ゴールドは資産の何%持つべきか

「じゃあ何%持てばいいの?」という話ですが、全員に共通する正解の割合はありません。株式比率、米国株への集中度、現金の量、投資期間、下落への耐性で変わります。

イメージだけ、比率ごとの位置づけを並べてみます。

ゴールド比率 ざっくりの位置づけ
0%株の成長をフルに取りにいく。分散はしない
5〜10%一般的によく言われる目安。保険として少し混ぜる
20〜30%僕の目標。分散をかなり重視する。株の伸びは犠牲になりやすい

正直に言うと、僕が目標にしている2〜3割は多めです。だから持ちすぎのデメリットも、正面から引き受ける必要があります。配当や利息がなく、企業の利益成長も取り込めないので、長い目で見ると株を増やすスピードは落ちる可能性が高い。それでも分散を優先したいから多めに持つ、という選択です。

ただし青天井では増やしません。上限を「3割まで」とはっきり決めて、資産全体の比率で管理する。金価格が上がって比率が超えそうになったら、積立を止めたりリバランスを考える。目標を持ちつつ、上限でブレーキをかける、という形にしています。

ゴールドを買う前のチェックリスト

最後に、買う前に自分に確認したいことを絞ってまとめます。

  • 生活防衛資金は、別に現金で確保できているか
  • 値上がり期待だけで飛びつこうとしていないか
  • 総資産の何%まで持つか、上限を決めているか
  • 30%くらい下がっても、持ち続けられるか
  • 配当や利息がないことを理解しているか
  • 信託報酬などのコストと、新NISA枠を使う優先順位は妥当か

まとめ:後発組だからこそ、一括で買わずに時間をかけて2〜3割へ

長くなったので、要点だけ振り返ります。

  • ゴールドは、短期のインフレ率に必ず連動するわけではない
  • 本当の論点は実質金利。インフレしているのに金利で守れない局面で強くなりやすい
  • 大きく上がった後からの参入には、高値づかみのリスクが普通にある
  • 「今が割安か」と「分散として必要か」は分けて考える
  • 日本人はドル建て金価格とドル円の両方を見る。米国株保有者は通貨の重複に注意
  • 新NISA枠を使う機会費用(株を買える枠が減る)も忘れない

僕はゴールドが安い時期から持っていたわけではありません。大きく上がってから参入した後発組なので、今の価格が割安だと言うつもりもありません。

それでも、米国株だけに資産を偏らせず、インフレや通貨価値の低下に備える柱を持ちたい。だからこそ一度に大きく買うのではなく、新NISAで毎日1,000円ずつ積み立てながら、上限を決めて時間をかけて資産の2〜3割までゴールドを育てていく。目標は高めでも、比率で管理していけば、後発組でも慌てずに組み入れられると思っています。

なお、ここで積み立てているのは金価格そのものに連動する商品です。同じ「ゴールド関連」でも、金鉱株ETF(GDX)は値動きの性質がまったく別物なので、混同しないよう注意しています。

↓ 良ければ応援クリックお願いします!

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

関連記事

シラーPER(CAPE)とは?S&P500の割高度の見方を積立投資家目線で解説のアイキャッチ
投資戦略

シラーPER(CAPE)とは?S&P500の割高度の見方を積立投資家目線で解説

シラーPER(CAPEレシオ)の見方・使い方を、30代会社員の積立投資家目線で解説します。ふつうのPERとの違い、10年平均で割高を測る理由、2026年7月時点で約41というドットコム期に次ぐ高水準をどう受け止めるか、そして「割高だから積立をやめる」が正解とは限らない理由まで整理します。

#シラーPER #CAPE #PER #バリュエーション #米国株 #新NISA
バフェット指数とは?見方と2026年の割高度を積立投資家目線で解説のアイキャッチ
投資戦略

バフェット指数とは?見方と2026年の割高度を積立投資家目線で解説

バフェット指数(株式時価総額÷GDP)の見方・使い方を、30代会社員の積立投資家目線で解説します。計算式と目安、なぜバフェットが重視するのか、2026年7月時点で約237%という過去最高圏の割高度をどう受け止めるか、そして「割高だから積立をやめる」が正解とは限らない理由まで整理します。

#バフェット指数 #バリュエーション #割高 #センチメント #米国株 #新NISA
逆イールドとは?景気後退サインの見方を積立投資家目線で解説のアイキャッチ
投資戦略

逆イールドとは?景気後退サインの見方を積立投資家目線で解説

逆イールド(長短金利の逆転)の見方・使い方を、30代会社員の積立投資家目線で解説します。なぜ逆イールドが景気後退のサインとされるのか、10年-2年金利差の見方、2022〜2024年の逆転がその後どうなったか、そして「サインが出ても株をすぐ売らない」理由まで、2026年7月の実際の数値を例に整理します。

#逆イールド #イールドカーブ #景気後退 #金利 #米国株 #新NISA

主要カテゴリ

固定ページ