バフェット指数とは?見方と2026年の割高度を積立投資家目線で解説
こんにちは、とっぽです。
米国株が高値を更新するたびに、「バフェット指数が過去最高、株はバブルだ」という話が出てきます。名前のとおり、あのウォーレン・バフェットが「市場が割高か割安かを測るいちばんの指標」と言ったことで有名になった指標です。
この記事では、バフェット指数がそもそも何なのか、どう計算してどう見るのか、そして2026年7月時点で約237%という過去最高圏の水準を、新NISAで積立をしている会社員がどう受け止めればいいのかを整理します。結論を先に言うと、「割高だから今すぐ売り・積立停止」とは考えていません。その理由まで正直に書きます。
バフェット指数とは
バフェット指数は、「国全体の株式時価総額 ÷ その国のGDP(国内総生産)」で計算します。米国なら、米国株全体の時価総額を、米国のGDPで割った割合です。
考え方はシンプルで、「国の経済規模(GDP)に対して、株式市場がどのくらい大きくなっているか」を見ています。経済の実力に比べて株価が大きく膨らんでいれば割高、逆なら割安、という発想です。バフェットが2001年に「どんな一瞬でも割安・割高を測る、おそらく最良のたったひとつの指標」と語ったことで広く知られるようになりました。
たとえば2026年7月17日時点だと、米国株全体の時価総額はおよそ75.6兆ドル、米国のGDPは年率換算でおよそ31.9兆ドル。75.6 ÷ 31.9 でだいたい237%、という具合です。
画面出典:Buffett Indicator(2026年7月17日時点)
ちなみに、同じ計算は日本株でもできます(日本株の時価総額 ÷ 日本のGDP)。ただ「バフェット指数」として世界的に注目されるのは主に米国版で、この記事でも断りがなければ米国のものを指します。日本版はおおむね米国より低い水準で推移してきました。
バフェット指数の目安
バフェット指数にも、ざっくりした目安があります。バフェット自身の発言や過去の水準から、よく使われるのはこのあたりです。
| 水準 | 評価 | ざっくりした空気 |
|---|---|---|
| 〜75% | 割安 | 経済規模より株が小さい |
| 75〜90% | 妥当 | バフェットが「妥当」とした範囲 |
| 90〜120% | やや割高 | 平均をやや上回る |
| 120%〜 | 割高 | バフェットが「危険」とした水準 |
この目安からすると、2026年7月の約237%というのは、120%の「割高」ラインをはるかに超えた、歴史的にも極端な水準です。長期の平均はだいたい165%前後なので、それも大きく上回っています。過去にここまで高かったのは、記録的な高値をつけた局面くらいしかありません。
数字だけ見れば「かなり割高」。これは事実として受け止める必要があります。最新値はCurrent Market Valuation のバフェット指数ページなどで確認できます。
「割高=すぐ暴落」ではない、3つの注意点
じゃあ237%だから今すぐ株を売るべきかというと、僕はそうは考えていません。バフェット指数には、そのまま鵜呑みにできない注意点があるからです。
1つ目は、割高でも、割高なまま何年も上がり続けることがあるという点です。バフェット指数は「今が割安か割高か」は教えてくれますが、「いつ下がるか」は何も教えてくれません。割高だからと売って現金にしても、そこからさらに数年上がり続けたら、機会損失のほうが大きくなります。
2つ目は、指標の前提が昔と変わってきているという点です。今の米国株は、GAFAMのような世界中で稼ぐ巨大企業が多くを占めています。売上の多くを海外で上げている企業の時価総額を、米国のGDPだけで割ると、どうしても数字が大きく出やすい。昔と同じ150%と今の150%は、意味が違う可能性があります。だから「過去の平均と比べて何%高い」を、そのまま危険度と直結させるのは乱暴だと思っています。
3つ目は、そもそも短期の売買タイミングには向かないという点です。バフェット指数は月〜年の単位でゆっくり動く指標で、「明日下がる」を当てる道具ではありません。VIX(恐怖指数)のような短期の指標とは、時間軸がまったく違います。
積立投資家としての、僕の受け止め方
これらを踏まえて、僕がバフェット指数をどう使っているか。ひとことで言うと、「積立を止める理由」ではなく「浮かれない理由」として使っています。
- 積立は止めない・減らさない:237%という数字を理由に、新NISAのS&P500積立をやめたりはしません。最高値圏でも積立を止めない理由と同じで、タイミングを当てにいくより、続けられる金額で淡々と積み立てるほうが、僕には合っています。
- ただし「一括で大きく」は慎重に:割高圏だと分かっているので、まとまったお金を一気に投じたり、レバレッジで攻めたりはしません。高いところで大きく買うと、下げたときのダメージが大きいからです。
- 下落に耐えられる家計かを確認する:割高圏では、いざ調整が来ると下げ幅も大きくなりがちです。だからこそ、株価ではなく自分の生活防衛資金や住宅ローンのほうを点検します。暴落が来ても積立を続けられる家計なら、割高でも慌てる必要はありません。
割高かどうかを「当てる」より、割高だと知ったうえで浮かれずに淡々と続けられる仕組みを持っておく。それがこの指標の一番いい使い方だと思っています。市場心理の過熱を測る恐怖と強欲指数と合わせて見ると、「割高で、かつ強欲」なのか「割高だけど恐怖」なのか、より立体的に空気がつかめます。割高度をもうひとつ別の角度から確認するなら、S&P500の10年平均利益で見るシラーPER(CAPE)も便利です。
まとめ|割高を知って、浮かれないために使う
バフェット指数は「株式時価総額 ÷ GDP」で、経済規模に対して株がどのくらい膨らんでいるかを測る指標です。目安は120%超で割高、2026年7月時点は約237%と歴史的にも極端な水準でした。
ただし、割高でも割高なまま上がり続けることはあるし、巨大グローバル企業の影響で昔より数字が高く出やすい面もあります。だから「237%だから今すぐ暴落」と単純には言えません。
僕にとってこの指標は、積立を止める理由ではなく、高いところで無理をしないための「浮かれ防止装置」です。積立は淡々と続けつつ、一括の大勝負とレバレッジは避け、下落に耐えられる家計を保つ。割高を正しく怖がりつつ、続けることをやめない——これが僕の答えです。