新NISAは売ったら枠が戻る?翌年復活・簿価残高方式・年間投資枠を図解

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こんにちは、とっぽです。

新NISAで持っている投資信託や株を売ったら、使った非課税枠はどうなるのか。

僕も制度を調べるまでは、「売った分だけ、その場で枠が空くのかな」と思っていました。でも、実際は少し違います。

先に結論を書くと、売却した商品の取得金額(簿価)分だけ、翌年以降に非課税保有限度額が復活します

ポイントは、「売った年ではなく翌年」「売却額ではなく取得金額」の2つです。さらに、復活した枠が年間投資枠へ上乗せされるわけでもありません。

この記事は2026年7月時点の金融庁資料をもとに、新NISAの一般的な仕組みを解説したものです。個別の税務判断や売買を推奨するものではありません。制度の詳細は金融庁や利用中の金融機関でご確認ください。

結論:売った枠は「簿価分」が「翌年」に戻る

最初に、4つの結論をまとめます。

  • 売却した年に枠は戻らない
  • 復活するのは翌年以降
  • 戻る金額は売却額ではなく、購入時の金額(簿価)
  • 復活した総枠は、その年の年間投資枠に上乗せされない

金融庁は、新NISAの商品を売却した場合、売却した商品の簿価分の非課税保有限度額を翌年以降に再利用できると説明しています。

僕も最初にこの説明を読んだときは、「年間投資枠」と「非課税保有限度額」という似た言葉が並んでいて、一度読んだだけではどっちがどっちだか分からなくなりました。

ここでややこしいのが、「年間投資枠」と「非課税保有限度額(総枠)」は別物だということです。

枠の種類 上限 売却後
年間投資枠つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円=年360万円その年に使った分は戻らない
非課税保有限度額(総枠)合計1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)売却した商品の簿価分が翌年以降に復活する

新NISAの枠を考えるときは、この2つを分けるだけでかなり理解しやすくなります。

図解:100万円で買った商品を150万円で売った場合

たとえば、成長投資枠で100万円分の商品を買ったとします。その後、値上がりして150万円で売却しました。

購入時 100万円 これが簿価 売却時 150万円 売却額は基準ではない 翌年 100万円 総枠が復活 利益50万円を含む150万円ではなく、買ったときの100万円分が戻る

この場合、翌年に復活する非課税保有限度額は150万円ではなく100万円です。

150万円は売ったときの時価です。一方、新NISAの総枠は買付額、つまり簿価で管理されます。50万円の利益が出ても、その利益分まで枠が増えるわけではありません。

僕も最初は「利益が出た分も多少は戻るのでは」と期待していました。SNSでも「150万円で売ったから来年150万円分買える」という書き込みを見かけますが、基準はあくまで買ったときの金額です。

逆に、100万円で買った商品が値下がりして60万円になり、そこで売った場合も、翌年に復活する総枠は60万円ではなく100万円です。

購入額 売却額 翌年に復活する総枠
100万円150万円100万円
100万円100万円100万円
100万円60万円100万円

値上がりしていても値下がりしていても、基準は購入時の100万円。これが簿価残高方式です。

売った年に枠を使い直すことはできない

もう一つ、間違えやすいのが復活するタイミングです。

たとえば2026年に100万円分を売却しても、その100万円分の総枠を2026年中に使い直すことはできません。再利用できるのは2027年以降です。

2026年に売却 → 2026年中は復活しない → 2027年から簿価分の総枠を再利用できる

僕も一度、売却した直後に証券口座の現金残高が増えたのを見て、「これでもう一度買えるはず」と勘違いしたことがあります。証券口座の画面で現金が増えると、「これでNISAでもう一度買える」と感じますが、現金残高と非課税枠は別です。売却代金が口座に戻っても、制度上の枠が同時に戻るわけではありません。

「売った年に総枠を復活させる」案は検討された

実は、売却した年のうちに総枠を復活させる案は検討されています。

金融庁は2025年8月に公表した2026年度税制改正要望で、投資商品の入れ替えをしやすくするため、非課税保有限度額を当年中に復活させることを要望しました。

ただし、この内容は2026年度税制改正大綱には盛り込まれませんでした。2026年7月時点では制度変更されておらず、売却した商品の簿価分を再利用できるのは、これまでどおり翌年以降です。

検討されたのは、1,800万円の非課税保有限度額(総枠)を当年中に復活させる案です。年間投資枠の上限を360万円より増やしたり、その年に使った年間投資枠を無制限に使い直したりする案とは分けて考える必要があります。

今後の税制改正で再び検討される可能性はあります。制度が変わった場合はこの記事も更新しますが、売却や買い直しを考えるときは、金融庁のNISA特設サイトで最新情報を確認しておきたいです。

参考:金融庁「令和8(2026)年度税制改正要望について」財務省「令和8年度税制改正の大綱」

復活した100万円は年間360万円に上乗せされない

では、100万円分の総枠が翌年に復活したら、その年は360万円+100万円=460万円まで投資できるのでしょうか。

答えは、できません

僕も最初にこの制度を知ったときは、てっきり360万円に上乗せされるものだと思い込んで、投資計画の計算を間違えました。

金融庁の資料には、再利用できる非課税保有限度額が、その年の年間投資枠に上乗せされるわけではないと明記されています。

年間投資枠は、つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円の合計360万円までです。総枠が復活しても、この年間上限は変わりません。

たとえば総枠1,800万円を使い切った人が、2026年に成長投資枠で買った商品100万円分を売ったとします。

  • 2026年:売却しても総枠はその場で戻らない
  • 2027年:総枠が100万円分復活する
  • 2027年に再投資できるのは最大100万円(復活した総枠の範囲)

一方、過去の売却で総枠が500万円分復活していたとしても、1年間に使えるのは最大360万円です。総枠と年間投資枠のうち、先に上限へ達するほうに止められる、と考えると分かりやすいです。

つみたて投資枠と成長投資枠、どちらに戻る?

売却で復活するのは、非課税保有限度額です。ただし、成長投資枠には総枠1,800万円のうち1,200万円までという上限があります。

たとえば成長投資枠で買った株を売り、その簿価分が翌年に復活しても、成長投資枠の生涯上限が1,200万円である点は変わりません。

僕自身、成長投資枠で個別株をまとめて買った反省があるので、この1,200万円という上限は常に頭の片隅に置きながら残り枠を使うようにしています。

ここで大事なのは、売却した商品とまったく同じ商品を買い直す必要はないことです。復活後は、その時点の年間投資枠と対象商品の条件に従って、別の商品へ投資することもできます。

「一度売ったら、その銘柄専用の枠が戻ってくる」という仕組みではありません。あくまでNISA全体の非課税保有限度額が簿価分だけ空くイメージです。

部分売却した場合も簿価で計算される

NISAの商品は、全部ではなく一部だけ売ることもできます。

たとえば100万円で買った投資信託の半分を売却した場合、基本的には売却した部分に対応する簿価分が翌年に復活します。値上がりして評価額が200万円になっていて、その半分の100万円分を売ったとしても、「売却額100万円が戻る」と単純に考えるのではなく、売却した口数に対応する取得金額で計算されます。

僕も一部売却をしたとき、自分の証券口座の「取得金額」の欄を確認するまでは、いくら枠が戻るのか感覚だけでは全く分かりませんでした。実際の簿価や利用可能額は、利用している証券会社のNISA枠表示で確認するのが確実です。何度も買い増して取得単価が変わっている商品は、暗算より口座画面に頼ったほうが安全です。

旧NISAの商品を売っても新NISAの枠は戻らない

今回説明している枠の再利用は、2024年からの新NISAの仕組みです。

2023年までの一般NISAやつみたてNISAで買った商品は、新NISAの1,800万円とは外枠で管理されています。そのため、旧NISAの商品を売却しても、新NISAの非課税保有限度額は復活しません。

僕も旧つみたてNISAでS&P500とオルカンを持っていますが、これを売っても新NISAの枠が増えるわけではない、ということです。

旧NISAと新NISAは、同じ証券口座の画面に並んでいても制度上は別枠。ここも混同しやすいところですね。

枠が戻るから、気軽に売っていいわけではない

新NISAは枠を再利用できるので、旧制度より出口の自由度は高くなりました。ただ、枠が戻ることだけを理由に売買を繰り返すのは違うと思っています。

売却してから枠が戻るまでには年をまたぎます。売って現金で待っている間に相場が上がる可能性もありますし、商品によっては売買手数料や為替コストもかかります。

僕の場合、新NISAの中心は長期で積み立てる商品です。なので「枠が翌年戻るから」という制度だけで売るのではなく、次のような理由があるかを先に考えます。

  • 住宅購入や教育費など、実際にお金を使う予定がある
  • 資産配分が大きく偏り、リスクを下げたい
  • 買った理由が崩れ、保有を続ける根拠がなくなった
  • 似た商品が増えすぎたので整理したい

最高値が怖いという理由だけで積立を止めない考え方は、S&P500最高値でも積立を止めない理由にも書きました。売るときも同じで、制度の便利さと投資判断は分けて考えたいです。

よくある質問

売ったら、その日のうちにNISA枠は戻りますか?

戻りません。売却した商品の簿価分の非課税保有限度額を再利用できるのは、翌年以降です。

利益が出た分も枠として戻りますか?

戻りません。復活する金額は売却時の時価ではなく、購入時の金額である簿価です。100万円で買って150万円で売っても、戻る総枠は100万円分です。

損切りしたら、減った金額しか戻りませんか?

売却額ではなく簿価が基準です。100万円で買った商品を60万円で売った場合も、翌年に復活する総枠は100万円分です。ただし、NISA口座の損失は課税口座の利益との損益通算や繰越控除ができません。

復活した枠は翌年に全部使わないと消えますか?

復活するのは非課税保有限度額(総枠)の空きです。年間投資枠の未使用分を翌年へ繰り越す仕組みとは違います。翌年に復活分をすべて使わなくても、総枠の空きとして残ります。

2023年までのつみたてNISAを売れば、新NISAの枠が増えますか?

増えません。旧NISAの商品は新NISAの1,800万円とは外枠で管理されており、売却しても新NISAの総枠は復活しません。

まとめ

新NISAの商品を売却すると、使った非課税枠を再利用できます。ただし、覚えておきたいのは次の4点です。

  • 復活するのは売却した商品の簿価分
  • 再利用できるのは売却した翌年以降
  • 年間投資枠はその年に使ったら戻らない
  • 復活した総枠は年間投資枠に上乗せされない

「100万円で買って150万円で売ったら、翌年に100万円分の総枠が戻る」。まずはこの例を覚えておけば、大きく迷わないと思います。

枠を再利用できるのは、新NISAの便利なところです。ただし、枠が戻ることと、今売るべきかは別の話。僕自身も、制度だけを理由に売買せず、生活でお金が必要になったときや投資方針が変わったときの選択肢として使いたいと思っています。

参考:金融庁「NISAを知る」金融庁「よくある質問」金融庁「NISA制度等に関する資料」

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