AI銘柄、次は「電気」なのか?電力不足で注目の米国株

AI銘柄、次は「電気」なのか?電力不足で注目の米国株のアイキャッチ

こんにちは、とっぽです。

AI銘柄といえば、まず思い浮かぶのはNVIDIAをはじめとする半導体株です。このブログでも以前、半導体株について記事にしたことがあります。

ただ、ここまで上がると「今から買っていいのか?」とはやっぱり思ってしまいます。半導体株は魅力があると思いつつ、下がったところを拾っていくのが自分のスタンス。今の株価をそのまま追いかける気にはなれません。

そこで最近気になっているのが、AIを動かすための「電気」関連銘柄です。最初にこのテーマを聞いたときは、正直「なんでもAI銘柄にするなよ」と思いました。電力会社までAI銘柄扱いって、こじつけが過ぎるだろうと。

でも実際に調べてみると、これは意外とこじつけではありませんでした。この記事では、AI電力テーマがなぜ注目されているのか、具体的にどんな銘柄があるのかを自分なりに整理してみます。

この記事は筆者個人の見解であり、特定銘柄の購入や売却を推奨するものではありません。株価・PERなどの数値は変動しますし、記事中の統計値は報道・推計ベースのものを含みます。投資判断はご自身の責任でお願いします。

この記事の結論

先に結論を書いておきます。

AI電力テーマは本物だと思います。半導体だけでなく、AIを動かす裏側のインフラにもちゃんとお金が流れ始めています。

ただし、すでに人気化している銘柄も多いです。電力会社なら何でもいいというわけではなく、データセンターのどこで必要とされている会社なのかを見るべきだと思っています。

自分なら、いきなり大きく買うというよりは、まず監視リストに入れて決算を追いながら判断していきたいテーマです。

なぜAIで電気系銘柄が注目されるのか

AIは、スマホやパソコンの中だけで完結しているわけではありません。ChatGPTのようなサービスを使うとき、実際に計算処理をしているのは裏側にある巨大なデータセンターです。

データセンターの中には、GPU(計算するための半導体)だけでなく、電源設備、冷却設備、変電設備、送電網、そして停電時のバックアップ電源まで、ありとあらゆる電力インフラが詰まっています。

つまりAIブームは、半導体という「頭脳」だけでなく、それを動かす「電気」というインフラ全体にも広がっているということです。ここに気づいてから、電力関連銘柄がAI銘柄として語られる理由が腑に落ちました。

データセンターの電力需要はどれくらい増えるのか

具体的な数字も見ておきます。国際エネルギー機関(IEA)は、世界のデータセンターの電力消費が2030年には約945TWh(テラワット時)まで増えるという見通しを示しています(正直わけわからん単位)。これは現在の水準からおおよそ倍増する規模になるとされています。

また、Goldman Sachsのレポートでは、データセンターの電力需要が2027年までに約50%増加し、2030年には最大で165%増加するという推計が示されたと報じられています。

いずれも将来予測を含む数値なので、あくまで「そういう推計・報道がある」という前提で見てください。ただ、複数の機関が似たような方向性(データセンターの電力需要が今後数年で大きく伸びる)を示しているのは事実で、この点はそれなりに信頼していい流れだと思っています。

AIデータセンターで足りなくなるもの

電力需要が増えるといっても、単純に「電気が足りない」だけの話ではありません。データセンターを動かすには、複数の要素がそれぞれボトルネックになり得ます。

1. 電気そのもの

データセンターは、もともと大量の電力を消費する施設です。AI向けのサーバーが増えれば増えるほど、単純に電力需要そのものが増えていきます。

2. 電気を届ける送電網

発電所があっても、その電気をデータセンターまで届けられなければ意味がありません。送電網や変電所の整備が追いついていないという課題も指摘されています。

3. 電気を安定して使うための設備

電源装置、配電設備、UPS(無停電電源装置)、バックアップ電源、変圧器など、電気を安定して供給し続けるための設備も欠かせません。

4. サーバーを冷やす冷却装置

AIサーバーは高性能なぶん、大量の熱を発生させます。高性能GPUが増えるほど冷却の重要性も増していて、従来の空冷では追いつかず、液冷などの需要が今後増えていく可能性もあります。

この4つを並べてみると、AIブームというのは半導体単体の話ではなく、電力インフラ全体を巻き込む話だということがよく分かります。

AI電力銘柄は「5タイプ」で見ると分かりやすい

ここからは具体的な銘柄を見ていきます。バラバラに覚えるより、役割ごとにタイプ分けすると整理しやすいと感じたので、5タイプに分けてみました。

タイプ1:データセンターの電源・冷却

Vertiv(VRT)
AIデータセンターのど真ん中に位置する会社で、電源・冷却・ラック周辺のインフラに強みを持っています。データセンター専業に近いポジションなので、テーマにかなり直撃する銘柄です。ただし、すでにかなり人気化していて株価にも期待が織り込まれています。「いい会社だけど、安いかどうかは別」という目線で見ています。

Vertiv(VRT)のチャート

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Eaton(ETN)
電力管理、配電、UPSなど幅広い事業を持ち、データセンター向けの需要だけでなく、社会全体の電化(EVや再エネの普及に伴う電力インフラ需要)にも乗れる会社です。Vertivほど一点突破ではなく事業が分散している分、AIデータセンターのテーマだけに賭けているわけではないのが特徴です。個人的には、値動きも含めて監視しやすい銘柄だと感じています。

Eaton(ETN)のチャート

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タイプ2:発電・変電・グリッド設備

GE Vernova(GEV)
ガスタービン、送電、変電、グリッド設備を手掛ける大型銘柄です。AIデータセンター向けの電化設備需要が追い風になっていて、テーマとしてはかなりど真ん中に位置します。ただし株価もすでに強く上昇していて、決算のたびに受注残と利益率をしっかり確認したい銘柄です。

GE Vernova(GEV)のチャート

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Hubbell(HUBB)
配電部品や電力インフラ関連の会社で、派手さはありません。ただ、送配電網の整備が進むほど恩恵を受ける可能性がある会社で、「地味だけど意外と重要な枠」として押さえておきたい銘柄です。

Hubbell(HUBB)のチャート

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タイプ3:送電網・電力工事

Quanta Services(PWR)
送電網や電力インフラの工事を手掛ける代表的な会社です。データセンター需要が増えれば増えるほど、それをつなぐ電力工事の需要も増えていく構図です。ただしこちらもすでにかなり期待が高い銘柄で、PERや受注残の中身を見ずに飛びつくのは怖いと思っています。

Quanta Services(PWR)のチャート

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タイプ4:電力供給・原子力

Constellation Energy(CEG)
原子力発電所を保有する電力会社です。MicrosoftをはじめとするビッグテックがAIデータセンター向けに安定した電力を確保しようとする流れに乗っている銘柄として注目されています。ただし電力会社である以上、電力価格や規制、政治的な判断の影響を受けやすく、半導体株とはまったく違う種類のリスクを抱えている点は意識しておきたいところです。

Constellation Energy(CEG)のチャート

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Vistra(VST)
発電・電力供給を手掛ける会社で、こちらも原子力や電力需要の文脈でAI電力テーマの銘柄として語られています。CEGと合わせて比較しながら見ておきたい会社です。

Vistra(VST)のチャート

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タイプ5:次世代・オンサイト電源

Bloom Energy(BE)
燃料電池を使ったオンサイト電源(施設の敷地内で発電する仕組み)を手掛けている会社です。データセンターが既存の電力網だけに頼り切れなくなるなら面白いテーマですが、正直かなり夢枠だと思っています。株価の値動きも大きいので、主力にするというよりはテーマ枠として少し見ておく、くらいの距離感がちょうどいい気がしています。

Bloom Energy(BE)のチャート

BEのチャートはこちら

半導体株と電力インフラ株は何が違うのか

半導体株は、AIの「頭脳」に近い存在です。一方で電力インフラ株は、AIを動かす「土台」に近い存在だと思っています。

半導体は成長率が高い一方、競争やサイクル(好況と不況の波)も激しいのが特徴です。対して電力インフラは、正直地味です。ただし一度受注すると設備投資や受注残が積み上がりやすく、業績の見通しが立てやすい面もあります。

もちろん電力インフラ株にも弱点はあります。規制、金利、資材価格(銅や鉄鋼など)、工期の遅延といった要因の影響を受けやすく、半導体株とはまったく違う種類のリスクを抱えています。

買う前に見るべきポイント

ここまで銘柄を並べてきましたが、名前を知っているだけでは投資判断にはなりません。自分が買う前に見ておきたいと思っているポイントを3つ挙げておきます。

1. データセンター向け受注が本当に増えているか

「AI」「データセンター」と決算資料に書いてあるだけでは不十分です。実際の受注残や売上に数字として出ているかどうかを見る必要があります。特にVertiv、GE Vernova、Eaton、Quanta Servicesあたりは、決算のたびにこの点をしっかり確認したいと思っています。

2. 利益率が上がっているか

売上が増えていても、コストがそれ以上に増えていれば意味がありません。変圧器や電線などの部材コスト、工事にかかる人件費なども上がっている業界なので、売上だけでなく利益率の推移まで見ておきたいところです。

3. 株価に期待が織り込まれすぎていないか

AI電力テーマは、すでに市場でかなり注目されています。「テーマとして本物であること」と「今買って割安であること」はまったく別の問題です。PER、予想PER、売上成長率、受注残をセットで見ながら、期待がどこまで株価に織り込まれているかを確認したいと思っています。

自分ならこの順番で監視する

最後に、自分なりの整理として、監視の優先順位をつけてみました。あくまで個人的な見方なので、参考程度にしてください。

銘柄 見方
本命監視枠 Eaton(ETN)
GE Vernova(GEV)
Hubbell(HUBB)
事業の分散や地味さも含めて、決算を追いやすい
テーマ直撃だけど高値注意枠 Vertiv(VRT)
Quanta Services(PWR)
テーマにど真ん中だが、期待もかなり織り込み済み
電力供給・原子力枠 Constellation Energy(CEG)
Vistra(VST)
規制や政治の影響を受けやすい点に注意
夢枠 Bloom Energy(BE) ポテンシャルはあるが値動きも大きい

正直、この分類は今後の決算や株価次第でどんどん入れ替わっていくと思っています。あくまで今の時点での自分なりの整理です。

まとめ:AIの裏側では、ちゃんと電気を食っている

AIブームは、半導体だけでは終わらないと思っています。データセンターが増えれば、電力そのものはもちろん、送電網、冷却設備、変電設備が必要になります。だから電気系銘柄がAI銘柄として注目されるのは、自分としては自然な流れだと納得できました。

ただし、すでに買われている銘柄も多いのが正直なところです。VertivやGE Vernova、Quanta Servicesあたりは、テーマとしては強くても株価にすでに期待が織り込まれています。

自分としては、「今すぐ飛びつく」よりも、決算を追いながら監視を続けたいテーマです。受注残や利益率の推移を見ながら、焦らずタイミングを探っていこうと思っています。

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