BDC(ARCC・TCPC)の高利回りに潜むリスクを痛い目にあった実体験で解説

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こんにちは、とっぽです。

米国株の高配当銘柄を調べてると、利回り8〜10%超みたいな数字とセットでBDC(Business Development Company)ってやつによく出くわします。

自分も数年前「利回り高いしいいじゃん」のノリでTCPC(ブラックロックTCPキャピタル)を333株買いました。今は-64%の含み損を抱えてます。

詳しくは6月の資産公開記事で正直に書きました。見るたびへこみます。

先に言っておくと、BDCは2026年現在、日本の証券会社では新規に買えません。自分が持ってるARCCやMAINも、実は買えなくなる直前に滑り込みで買ったものだったりします。

そのへんの事情も含めて、ARCC・MAIN・TCPC・PSECを例にまとめます。

この記事は筆者個人の投資記録・見解であり、特定銘柄の購入や売却を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

BDCとは何か:中小企業に融資する「上場している貸金業者」

BDC(Business Development Company/事業開発会社)は、銀行から融資を受けにくい中小・中堅企業にお金を貸したり出資したりする投資会社です。

株式市場に上場してるので、普通の株と同じように買えます(本来は、ですが)。

ポイントは、アメリカの1940年投資会社法で「課税所得の90%以上を株主に分配する」ことが義務付けられてる点。その代わり法人税がほぼかからない優遇を受けられる仕組みです。

利益を貯め込めない構造なので、配当が高くなるのは当然っちゃ当然。REITと同じノリだと思うとイメージしやすいと思います。

代表的なBDC銘柄

銘柄 正式名称 特徴
ARCC エイリス・キャピタル(Ares Capital) BDCの中で最大手級。運用資産が大きく分散も効いている
MAIN メインストリート・キャピタル 内部運用型(後述)で運用コストが比較的抑えられていると言われる
TCPC ブラックロックTCPキャピタル ブラックロック系列が外部運用。筆者が含み損を抱えている銘柄
PSEC プロスペクト・キャピタル 利回りは高いが減配の実績があり、値動きも荒め
OBDC ブルー・オウル・キャピタル(Blue Owl Capital) 比較的新しめの大手BDC。筆者は楽天証券で保有

自分はマネックス証券でARCC・MAIN・TCPCの3つ、楽天証券でOBDCも持ってます。

ARCCとMAINは含み益、TCPCだけ盛大にやられてます。同じ「BDC」というくくりでも中身は全然違う、というのがまず言いたいポイントです。

高利回りの裏にある問題点

利回りが高いこと自体がリスクのサイン(イールドトラップ)

株価が下がれば利回り(配当÷株価)は自動的に上がります。「利回りが異常に高い」のは、市場が「この会社、配当を維持できないかも」と織り込んでるサインだったりします。

いわゆるイールドトラップ(利回りの罠)ってやつです。高配当株全般に言えることですが、BDCは特にハマりやすい印象があります。

自分が買ったTCPCも「利回り高いから」というだけの理由で飛びついて、株価が半分以下になりました。教科書通りの失敗です。

外部運用の運用報酬と利益相反

BDCの多くは「externally managed(外部運用)」という形を取っています。BDC本体とは別の資産運用会社(ブラックロックやアレス・マネジメントなど)が運用を代行して、その対価に運用報酬・成功報酬を受け取る仕組みです。

運用会社は運用資産の残高や取引量に応じて儲かるので、株主にとってちょうどいい規模より、とにかく会社を大きくしたい方向に力が働きやすい。株主の利益と運用会社の利益が一致しないことがある、というのがここの問題です。

MAINは内部運用型(externally managedじゃなく自社で運用する形態)で、この利益相反が相対的に小さいと言われてます。自分のポートフォリオでMAINの成績がいいのも、たぶんこれが一因かなと。

とはいえ内部運用だから絶対安全ってわけでもないので、あくまで比較材料のひとつです。

レバレッジで利回りを底上げしてる

BDCは自己資本だけでなく、借入や社債発行によるレバレッジを使って運用資産を積み増し、利回りを高めています。

景気が良くて金利が安定してる局面ではこれがプラスに働きますが、信用収縮や景気後退局面では逆方向に強く効いてきます

貸出先の業績が悪化すると融資の評価額(NAV/純資産価値)が下がり、レバレッジがかかってる分だけ下落幅も増幅されます。

株価だけでなくNAV自体が毀損するので、配当を維持していても株価が戻らないケースがあります。TCPCがここまで下がったのも、この構造が関係してるんじゃないかと思ってます。

融資先が中小・低格付け企業中心

BDCの主な融資先は、銀行の審査を通りにくい中堅・中小企業や格付けの低い企業です。高い金利を取れる分、貸し倒れのリスクも通常の社債やローンより高くなります。

景気後退期にはポートフォリオ内の複数の融資先が同時に傷むこともあって、分散していても一定のダメージは避けられません。

そもそも日本の証券会社では新規に買えない

ここが一番大きい問題だと思ってます。BDC銘柄は現在、日本の主要ネット証券では新規に買うことができません。

取扱いが限定的とかそういうレベルじゃなく、ARCC・MAIN・TCPC・OBDCも含めて新規注文自体が受け付けられない状態です。

調べてみたら理由はわりとはっきりしていて、BDCは日本の金融商品取引法・投信法上「投資法人」に相当すると扱われるらしく、本来必要な開示や届出をBDC発行体側がしないまま日本で売られていたのが問題視されたようです。

証券会社 新規買付の停止時期
マネックス証券 2020年11月13日
楽天証券 2021年12月3日
ウィブル証券 2023年11月

2025年時点でも再開の見込みは薄いとのこと。BDC側が個別に日本向けの届出を出さない限り状況は変わらないので、正直このまま戻らない気がしています。

BDCをまとめて持てる海外ETF「BIZD(VanEck BDC Income ETF)」も同様に国内では買えません。買うにはInteractive Brokersのような海外口座が必要です。

国内で買える代替として投資信託もありますが、経費率2%前後とかなり割高。今からBDCを検討しても、国内の正規ルートで新規に買う手段は事実上ないのが現状です。

買えたのは、たまたま止まる前だっただけ

自分のARCC・MAIN・TCPC・OBDCも、上で書いた新規買付停止より前に買ったものです。

当時はこんな規制の話があることすら知らず、単に「配当利回りが高いから」で買ってました。先を読んでたとかでは全くなく、たまたまタイミングが良かっただけです。

新規買付が止まっても、既に保有してる分は継続保有も配当の受け取りも今のところ問題なくできてます。

ただ、今後もし発行体側で合併・非公開化(M&Aによる上場廃止)みたいな動きがあったとき、日本の証券会社経由でちゃんと対応してもらえるかは正直わかりません。買えない・情報も薄い銘柄を持ち続けるリスクとして、頭の隅には置いてます。

実際どうだったか:TCPCで-64%を出した反省

自分は2020年、マネックス証券が新規買付を止める前にTCPCを取得単価9.42ドルで333株買いました。理由は単純で「配当利回りが高かったから」。

BDCの仕組みも外部運用やレバレッジのリスクもほとんど理解しないまま、利回りの数字だけ見て買い増しを続けてしまいました。

2026年6月末時点の評価額は3.33ドルまで下落。含み損は約2,028ドル、損益率にして-64.65%です。

とはいえ今まで受け取った配当を合わせるとだいたいトントンなので、そこはギリギリセーフ。別に詰んでるわけじゃないんですが、333株も持ってると見るたびにため息は出ます。

一方で同じ時期に買ったARCC(+30.79%)とMAIN(+65.93%)はしっかりプラスで着地してます。

同じ「BDC」でも、運用形態・資産の質・レバレッジのかけ方でここまで差が出るんだ、というのを身銭切って学びました。楽天証券のOBDCの損益はここでは省略しますが、また資産公開のほうで報告します。

BDCと付き合うなら押さえておきたいポイント

  • 表面利回りの高さだけで判断せず、NAVの推移や配当の減配履歴も確認する
  • 外部運用か内部運用か、運用報酬の水準もチェックする
  • レバレッジ比率(負債・自己資本比率)が高すぎないか確認する
  • 融資先ポートフォリオの分散度合いを見る
  • 国内の証券会社でそもそも新規に買えるのか先に確認する(2026年時点では基本的に買えない)
  • 既に保有している場合、発行体の合併・非公開化で扱いが変わる可能性も頭に入れておく
  • 1銘柄に集中させず、比率は小さく抑える

BDCという仕組み自体が悪いわけではなく、ARCCみたいに長期で安定した実績を積んでいる銘柄もあります。

ただ「利回りが高いから」というだけで規模を大きくして買うと、TCPCみたいに大きな含み損を抱えるリスクがある、というのが自分の実体験からの結論です。

もしこれからBDCが気になってる人がいたら、まず「国内では新規に買えない」という前提だけは知っておいてほしいです。

海外口座を使ってまで買うかどうかは、ここに書いたリスクも含めてよく考えてもらえたらと思います。

ARCC・MAIN・TCPC・OBDCのその後の損益は、また資産公開記事で正直に報告していきます。TCPC、いつか浮上してくれ。

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